マニュアル翻訳そのものを考える前に、マニュアルや取扱説明書の構造などをしっかりと抑えておく必要があります。
まずはじめに、マニュアルを読む場合、大別すると 2 通りに分けることができます。どちらのタイプの読者が多いでしょうか。
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マニュアル翻訳そのものを考える前に、マニュアルや取扱説明書の構造などをしっかりと抑えておく必要があります。
まずはじめに、マニュアルを読む場合、大別すると 2 通りに分けることができます。どちらのタイプの読者が多いでしょうか。
これらは、個人個人の読み方の差ですが、いずれのタイプの読者に対しても条件を満たすマニュアルでなければ、読むことすら困難になるのは明白です。それぞれのタイプ別で詳細を考えてみましょう。
マニュアルには通常、目次や索引があります。読者はそこで探している項目やキーワードを見つけ、対象のページをめくるという動作です。
この時に大切なのは、目次に書いてあることと本文の内容が一致していることです。これはわざわざ言うまでも無く基本中の基本です。マニュアルがこのように作成されていれば、通常、問題が起きることはあり得ません。
索引から用語を調べて本文にたどり着く場合も同様です。その用語に関する内容をすぐに見つけることができます。
これは紙だけの話ではなく、PDF ファイルやヘルプファイルの場合も同じことです。マニュアルにおいて目的の場所に間違いなくアクセスするためには、目次や索引と、本文が完全に一致している必要があります。
逆に言えば、目次や索引と本文が一致していない場合や、章番号やページ番号が違っていると読者にとっては分かりにくく使いにくいマニュアルとなってしまいますので注意が必要です。
1 ページ目の表紙、タイトル、注意事項、著作権などを読み、目次、本文、索引や参考文献・・・と読んでいくタイプです。
読者によってはページの上から下、左から右へ、ヘッダ(上部)やフッタ(下部)まで読むかも知れません。さらには、ページ番号も順番通りかどうか見るかも知れません。
各章のタイトルとヘッダが一致し、フッタが統一しているのは当たり前のこと。マニュアルとして基本中の基本です。見出しのタイトルと本文の内容が同じであり、ページ番号の規則性があるからこそ安心して1 ページずつ、ページをめくり読むことができるのです。
このように当たり前の機能を持ち、完全な一貫性という機能を持っているのがマニュアルであり、取扱説明書なのです。
マニュアルを作成する時には、上記をすべて網羅して、原稿の作成や DTP レイアウト作業を行います。
それではマニュアルを翻訳する場合はどうでしょうか?
実は、マニュアルを読んだり、制作する場合だけでなく、翻訳に関してもまったく同様に考えることができます。
大切なのは「読み手、読者、ユーザ」を意識して制作することです。
見出しの正しい表現や著作権表記、PL 法に関する表記、目次、本文、索引、ヘッダやフッタをすべて統一して翻訳しなければなりません。
さらにマニュアル翻訳の場合、SDL TRADOS(トラドス)等の翻訳支援ツールを使用することで原文のレイアウト情報(タグ情報)を生かしたまま翻訳することができますので、FrameMaker(フレームメーカー)等での DTP レイアウト作業工程にも非常に効果的です。
元のファイル形式が Adobe FrameMaker(フレームメーカー)や InDesign(インデザイン)、MS-Word であれば、それぞれの特長を把握した上で DTP レイアウト作業を行います。
また、印刷物として配布する、販売するという場合には印刷するのに最適なデータとして作成します。基本をしっかりと抑えていなければ、どんなに訳文が素晴らしいものであってもマニュアルの読者はその訳文すら見つけることができないかも知れません。
これらは 1 冊のマニュアルを翻訳するための必要最低限の条件なのです。
上記のポイントは、弊社のマニュアル翻訳サービスの最低条件です。なぜなら弊社では、上記に加え、常に読者を意識した翻訳を行っているからです。
翻訳の品質が高い低いと論じる前に、「なぜ翻訳するのか?その翻訳されたマニュアルはどうやって使用されるのか?」を把握しているかどうかによって翻訳の結果(品質)が異なるのは明白です。
では、さらに翻訳の品質を上げ、無駄なコストを抑え、ボリュームのあるマニュアル翻訳をスピーディに効率的に成功させるにはどうすればいいのでしょうか。
そして複数冊のマニュアルを同時に翻訳しなくてはならないときにはどうしたらいいのでしょうか。
マニュアルを効率的かつ正確に翻訳することは、SDL TRADOS(トラドス)、InDesign(インデザイン)、FrameMaker(フレームメーカー)、MS-Word、HTML、オンラインヘルプなどのアプリケーションに関するノウハウと経験をどれだけ持っているのかが大きな要因となります。
なぜなら近年、マニュアルのデータは、ワンソースマルチユースというコンセプトで作成されていることが多く、オンラインヘルプや PDF といったさまざまなファイル形式へも変換して使用することができるからです。
コストを抑え、色々な場面で読者やユーザの目に触れるドキュメントは、マニュアルに限らず貴社ブランド構成の一役を担っています。
・「分かりやすいマニュアルだな」
・「このマニュアルは読みやすいし、調べやすい」
このように、貴社製品に対して、読者やユーザが良いイメージを抱くかどうかは、翻訳前にそのポイントをしっかりと抑えることができるかどうか、そして翻訳後のマニュアルが安心して使用できるかどうかに起因しています。
では、次にマニュアル翻訳の大前提を踏まえ、マニュアル翻訳を成功させるための 6 つのポイントをご紹介します。