投稿者「矢柳祐介」のアーカイブ

矢柳祐介 について

トライベクトル株式会社 代表取締役。会社経営 20年目。翻訳・ローカライズ業界25年。翻訳・ローカライズ実績年間10,000件以上。 「言語コミュニケーションサービス」という領域で、主に翻訳/通訳/ローカライズ、インバウンド対応、コンテンツクリエイティブ、言語学習/研修サービスを提供している。

目的を理解した翻訳プロセスの確立

翻訳品質を安定させるために、翻訳支援ツールを導入したり、最近では機械翻訳(NMT)などを使用したりと、様々な方法があります。

また ISO 17100 のような翻訳に関する国際規格を取得し、運用するという方法もあるでしょう。

ISO17100:翻訳サービス提供者認証のご案内

https://shinsaweb.jsa.or.jp/MS/Service/ISO17100

Certification of service providers

https://www.jsa.or.jp/en/en_about11/

今回は、翻訳の品質そのものというよりはそれらを支える翻訳プロセスについて考察します。

基本の翻訳プロセスはシンプル

翻訳という業務では、例えば自動車メーカーのような複雑な工程は必要ありません。もちろん複雑にしようと思えばいくらでもできますが、それは単純に非効率ですので(何か特別な事情がある限り)誰もやらないでしょう。

例えば、あるマニュアルを翻訳する場合、作業工程は大きく分けると以下の2つになります。

  1. 翻訳作業
  2. Web やデザイン、DTP、字幕編集、ローカライズなど

 

この 2 つが大きな工程となります。翻訳というのは、原文を読んで訳文を作る作業、Web は構築から運用、またデザインはクリエイティブですし、DTP レイアウト作業というのは、訳した文章を、元データに流し込み、原文と同じような見た目にそろえることを言います。

ここから考えるとき、翻訳支援ツール SDL TRADOS などを使用すると、1 と2 をシームレスに連携させることができます。

TRADOS によるマニュアル翻訳

また機械翻訳などでもこれらが実現できるものもあります。

いずれにしても、この2つのシンプルな作業工程(翻訳作業と後工程)を理解していれば、大枠を外すということは無いでしょう。

あえて言うなら、翻訳の前工程として「原文を書く時には翻訳を意識しておく」というくらいでしょう。ただ今回はテーマとそれるため割愛します。

「翻訳作業前に原稿を読まないのか?」という質問

 

ドキュメントの種類によってプロセスは増減する

上記はマニュアル翻訳の場合ですが、例えば、Web サイトローカライズはもう少し工程が複雑ですし、アプリやソフトウェアのローカライズも同様に複雑になってきます。

ローカライズとは

翻訳して Web を構築するには、どんな環境なのか、ドメインはどうする、SEO はどうする、広告は、日々の更新は?というように細分化されていきます。

Webサイト ローカライズ

 

さらに、最近では Youtube を代表とする動画ファイルに字幕をつけるというケースでも作業プロセスは増えていきます。

https://www.trivector.co.jp/movie/

上記の弊社のプランの場合でも、

  • テープ起こし
  • 翻訳
  • 字幕編集

という3つのプロセスが含まれています(最小構成です)。

ドキュメントの量によってプロセスは増減する

また、ドキュメントの量によってもプロセスは複雑化していきます。

例えば、1冊のマニュアルなら問題ないですが、10冊のマニュアルを同時に翻訳しなければならないとしたらどうでしょうか?その場合、パッと浮かぶだけで以下のような検討項目があります。

上記はあくまで一例で、まだまだ検討項目はあります。

納品形式に合わせたり、複数のドキュメントを同時に進めるために必要な作業工程があり、それらをつなげていくことで翻訳プロセスは完成します。

もちろん、ただ単に「翻訳だけしてくれればいい、テキストファイルで納品してくれればいい」というケースももちろんありますが、お客様からすれば、「まとめてお願いしたい」というニーズは根強く、それには様々なメリットがあることもご存知でしょう。

プロセスはシンプルだが、シンプルだからこそ影響を受ける

このように、翻訳の作業プロセスは目的地によって増減があるのですが、シンプルな設計である分、どこかで仕様変更があった場合や条件などが変わった場合には、すべての工程で影響を受けやすいとも言えます。

例えば上記の検討項目で、「翻訳者の人数を3人としていたが、指定したツールが使用できない翻訳者がいたため、急きょ2名体制にせざるを得なかった」としたら、どうなるのでしょうか?

考えられるのは

  • リソース(この場合はツール対応可能な翻訳者)の再確保
  • チェックスケジュール、後工程のスケジュールの再調整
  • 既存リソースへの担当振り分けのやり直し
  • 諸々の作業にかかるコスト増加
  • TM のメンテナンス

あたりでしょう。プロジェクトが複雑になればなるほど「翻訳」という全体の中の再調整と、それに影響を受ける後工程での再調整が必要になります。シンプルなプロセスだからこそ、どれかひとつが変更になると、すぐに、直接的に後のプロセスに影響を与えてしまうと言えます。

テクノロジーで防げるものと防げないもの

また、SDL TRADOS や WordPress などのように IT ツールやテクノロジーで便利になった側面も無視することはできません。

従来は、すべて手作業で翻訳しなければならなかったことも、TM によって随分と楽になりましたし、HTML+CSS で構築していた Web サイトも、Wordpress のような CMS なら比較的簡単に Web を構築できるようになりました。

これは本当に素晴らしいことであり、今後も IT を駆使したプロジェクト推進はさらにバージョンアップして便利になっていくことでしょう。

しかし、一方でいつまでも変わらないものがあります。それは「原文の変更」です。

例えば、まだ何も着手していない(翻訳していない)状態であれば、問題ないですが、作業がある程度進んでから、実は文章そのものが変更になったり、追加・削除されたりすることがあります。

いわゆる最上流の部分が変わってしまうので、そのあとに続くプロセスがすべて影響を受けてしまうのです。

まとめ

このようなことが無いように、キックオフミーティングではしっかりと仕様を固めておくこと、またその仕様から変わってしまったものは、どういう扱いにするのかを事前に決めておくことが重要であり、もっと言えば「できるだけコストを抑えながらも良い訳文、良いコンテンツを作りたい」という目的をお持ちの場合には、仕様をしっかりと決めておくこと、またそれ以前にきちんと翻訳会社と話し合っておくことが重要だと言えるでしょう。

つまり品質とは、1つ1つの作業の精度を高めるだけでなく、それらを統括するプロセスのマネジメントも同時に考えていかなければならないということです。


「緊急事態宣言」解除後の対応について

平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

2020年4月7日に発出された「緊急事態宣言」ですが、5月25日に解除されました。

これに伴い、弊社でも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の防止を継続的に行うこと、またお客様やパートナー様にできる限りご迷惑をおかけしないよう、今後も引き続きテレワークを中心にサービス提供を行わせていただきます。

テレワークにおいてもこれまで通りに業務を進めていく所存ですので、どうぞご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

今後の対応

スタッフの安全と、ウィルス感染拡大の防止を目的としてテレワークを中心にし、段階的に出社等を行います。またその際の感染防止としてオフィス内でのソーシャルディスタンス、換気、消毒や、時差出勤なども行います。

また、お客様やパートナー様とのお打合せは、ZOOM 等でのオンライン会議を中心とさせていただきます。

弊社のお問い合わせについて

お電話でご連絡をいただく際には、担当者へ直接ご連絡いただくか、メッセージをのこしていただければ、折り返し担当者からご連絡させていただきます。またメール等については従来通り対応可能ですのでご安心下さい。オンライン会議におきましては、ZOOM、Skype、Teams 等での対応を行っております。

ご迷惑をおかけいたしますがどうぞよろしくお願いいたします。その他、ご不明な点やお問い合わせ等は以下よりご連絡をお願いいたします。


「緊急事態宣言」発出による新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大防止の弊社対応について

平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

2020年4月7日(火)に日本政府から発出された「緊急事態宣言」を受け、弊社では新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大防止として、弊社業務および弊社スタッフ、また関係者の安全確保の観点から、4月8日より、原則として全社員を在宅勤務(テレワーク)とさせていただきます。

お客様等やパートナー様へのご連絡(お打合せ等)につきましては、メールおよび ZOOM 等での対応となります。

 

オンライン商談の対応について

 

お電話による対応も承っておりますが、在宅勤務となっておりますので、お返事等が通常よりもお時間を頂くケースもございます。ご迷惑をおかけいたしますがどうぞよろしくお願いいたします。

なお、弊社のご提供する翻訳・通訳・ローカライズサービスにつきましては、元々オンラインで進めている部分も多いため、品質等に直接的な影響が出ることはありませんので、ご安心ください。

その他、ご不明な点やお問い合わせ等は以下よりご連絡をお願いいたします。

日々情勢が変化しておりますが、私どもも皆様と共にこの困難を乗り越えていきたいと考えております。ご迷惑をおかけいたしますがどうぞよろしくお願いいたします。


厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版 O-NET)への撮影協力について

2020年3月にオープンしました「厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版 O-NET)」において、弊社が「翻訳者」という職種で撮影のご協力をさせていただきました。

掲載ページ

トップページ

https://shigoto.mhlw.go.jp/User/

「翻訳者」の紹介ページ

https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/87

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版 O-NET)

翻訳者という職業について

世の中には数え切れないほどの職業があります。翻訳者はその中のひとつの職業として確固たる地位があると考えています。

厚生労働省が運営する Web サイトにおいて、翻訳者という職業が掲載されているというのは、ある意味でその証左ではないかと思います。

「職業に貴賤なし」と言いますが、現実的には「いくら稼げるのか」「自分に合っているのか」「具体的にはどんなことをするのか」といったことは疑問としてあるはずです。

特に、これから「この世界に飛び込んでみよう、チャレンジしてみよう」という方々にとってはこの Webサイト内で様々な職業を検索しイメージすることは大変有意義なことだと思います。

翻訳者もそのひとつの候補として、新しい方々にチャレンジしていただくことで、業界がより良いものになると期待しています。

そして弊社としても、微力ながらもそのお手伝いができたことは大変光栄に思いますし、今後も日々精進してまいりたいと思いますので引き続きどうぞよろしくお願いいたします。


オンライン商談の対応について

世界的に蔓延するコロナウィルス対策のため、様々な企業や団体がイベントや展示会の中止や延期を発表しています。

弊社では、これまで企業様への訪問活動を積極的に行っておりましたが、この機会に ZOOM を利用した「オンライン商談」に対応しております。

オンライン商談のメリット

これまでも弊社ではオンラインでの商談やお打ち合わせを行っておりましたが、改めて整理したいと思います。

メリット①:時間や場所の選択肢が広がる

これまでは移動時間や、営業時間を考慮してお約束をさせていただいておりますが、ZOOMの場合には、ある意味でどこにいてもお打ち合わせができるため、時間や場所に制限されにくくなります。

メリット②:低コスト

ZOOM自体は無料での使用も可能です。移動などが無い分、余計なコストがかかりません。

メリット③:クリアな音声品質、映像品質

使ってみると分かるのですが、オンラインへの抵抗があったとしても、非常にクリアな音声、映像品質であるためすぐに慣れてしまうと思います。

必要な準備

商談に必要になるのは、ZOOM社の「ZOOM」です。こちらをお使いの PCにインストールしていただき、ミーティングルームを作ることでスムースにオンラインでのお打ち合わせが可能になります。

ZOOM

https://zoom.us/

カメラ

PC に内蔵されているカメラでも問題ありませんし、別売りのカメラでも安いものであれば、数千円程度で購入できるものもあります。またスマートフォンの場合には、アプリをインストールするだけでミーティングが可能です。

マイク

こちらも PC なら内臓のマイクでも問題ありませんし(テストは必要)、別売りのヘッドセットでも問題ありません。

※ご希望のお客様には ZOOM の簡単な操作方法などはお伝えし、弊社とのお打ち合わせをサポートさせていただきます。

「貴社のビジネスを止めない」ために

相次ぐコロナウィルスの影響により世界経済が大きく揺れております。リーマンショック以上という声や東京オリンピック開催自体も不透明な状態(2020年3月23日現在)になっていますが、だからといって完全にビジネスを止めてしまうと、今度は経済的な悪影響が出てしまいかねません。

「安全かつ、ビジネスを止めずに経済活動を継続する」ということを考えた場合、オンラインで進められるものはスピーディに進めていくことが非常に重要ですし、今後、ウィルスが収束したときこそ、スタートダッシュを決めるためにも今進められるものは進めていくことが必要になると思います。

お問い合わせフォームの備考欄に「オンライン商談希望」とご記載いただければ、弊社営業担当から折り返しご連絡させていただきます。

ぜひお気軽にお問い合わせください。どうぞよろしくお願いいたします。