翻訳・ローカライズ」カテゴリーアーカイブ

アーティスト向け動画制作プラン「ArtistVideo」

artistvideo_logo3

アーティスト向け動画制作プラン「ArtistVideo」を正式に発売しました。

本プランは日本で活躍するアーティストの方のためのプランであり、今後世界に進出する方のためのプランです。

世界レベルの活躍をするには

もしあなたが「将来は世界で活躍するアーティストになりたい」とお考えの場合には、本プランはお役に立てるでしょう。

なぜなら ArtistVideo は、世界へ進出するためのプランだからです。

世界に進出するためにはいったい何が必要なのでしょうか?世界レベルで活躍するためはどこに注力しなければならないのでしょうか。

世界からの評価を得るために必要なこと

世界で活躍するアーティストとなるためには、作品はもちろん、それ以外にも身に着けなければならないものもあります。そのうちのひとつに、「伝える技術」があります。

ある国に世界中からアーティストが集まり、それぞれが個性的で魅力的な作品を作り出しているとしたら、アートファンは何を基準に自分の好きな作品を選ぶのでしょうか?

当然ながら作品そのものは判断基準に入るでしょう。しかしそれだけではありません。

アーティストのプロフィールだったりステートメントだったり、作品だけではなく色々な情報を取得して判断することになります。

このように、相手の立場に立ったとき、「地道に毎日作品を作り、個展などで発表し続ければ世界に通用するアーティストとなれる」と考えるのは少し難しいと言えます。

クリエイティブな活動は必要最低限のことですが、それがすべてではありません。きちんとしたマーケティング活動が必要になってくるのです。

メディア戦略といえば大げさかもしれませんが、「どう見せるか、どう伝えるか」を理解して活動することができなければ、海外、国内問わず評価を得る事は難しくなるでしょう。

「伝え方」はプレゼンテーションと同じくらい重要

例えば、iPhone の発売時のプレゼンでは、スティーブジョブズのプレゼンが有名ですね。

iPhone を発表するスティーブ・ジョブス(日本語字幕)

プレゼンは、話し方、声の大きさ、話す内容、使う言葉、順番、立ち居振る舞いなどがそれぞれ重要であり、それを緻密に、何度も練習して臨む人がいます。事実、スティーブジョブスはフランクに話しているように聞こえていますが、何週間も前から練習を行っているというのは有名な話です。

なぜそこまでするのでしょうか?それはプレゼンによって商品が与えるイメージが変わってしまうからです。

これは商品でも作り出す作品でも同じことです。

「分かってもらえる人だけ分かってくれればいい」というスタンスを否定するわけではありませんが、少しの解説やプレゼンテーションで「分かっている人」が増えるのはもっと素晴らしいことではないでしょうか。

伝える手段としての動画+翻訳

私たちは皆さんの作品そのもののお手伝いはできませんが、「伝える技術」としてのサービスの提供をすることができます。

そして、今、この時代にもっともマッチしている伝える技術が「動画」です。

今や世界中で動画でのアピールは当たり前の手段だからです。

いざ自分で動画を撮影するとなると、やはりどうしても素人っぽさが残ってしまったりします。これは致し方ないことなのです。しかし世界はそれを評価しません。

では、どうすれば世界から高い評価を得られるのでしょうか。答えは簡単です。

評価するのは、作品とアーティストだけなのですから、作品そのものの独自性やコンセプトはもちろんのこと、それを制作するアーティスト自身のプロフィールだったり、ステートメントも含めてしっかりと「動画」で見せるということです。

ちなみに、すでに海外で活躍しているアーティストや、これから海外で展覧会等を開こうという方は、その PR 方法にも大変こだわっています。

自分らしい見せ方や伝え方を身につけることで、自身の世界観を作り上げることができるということを知っているからです。

作品に魂を込めるのはもちろんのこと、その伝え方にも徹底的にこだわる。

だからこそ、世界と渡り合える、世界から評価されるわけです。ArtistVideo では、これから世界に打って出ようというアーティストの方を全力で応援します。

制作実績例

ぜひこの機会にお問い合わせください。お待ちしております。
artistvideo_inquiry

 


美術館向け外国人観光客(インバウンド)対策サービスのご案内

key

インバウンド産業の中でも観光施設として重要な位置を占めるのが美術館、博物館です。弊社ではこのミュージアム向けのインバウンド対策サービスを積極的にご提案していますが、その理由や想いをお伝えします。

日本の美術館を取り巻く状況

広くアートやミュージアム等に関わる人は、「世界中から観光客が日本にやってきて、そして自分たちの美術館を訪れてくれる。そしてその人たちに日本の文化や伝統の素晴らしさを伝えたい」という想いを持っているのではないでしょうか。この想いのない人というのはいないと思います。

では、そのために具体的に何をすればいいのでしょうか?

具体的な行動が分からなければ、ただの希望で終わってしまいます。私たちはそれではいけないと考えています。具体的に何をするかを考えるために、まずはここ5年ほどのスパンで美術館を取り巻く状況を分析してみましょう。

縮小する日本の美術市場

日本の美術市場は、およそ3,270億円程度といわれています。リーマンショックや東日本大震災などの影響などもあると言われていますが、いずれにせよ縮小傾向にあるのは間違いありません。

東京オリンピック・パラリンピック開催

2020年 東京オリンピックが開催されます。それに伴い、外国人観光客数も毎年増加しています。2020年には4,000万人、2030年には 6,000万人の外国人観光客を目指すと公言しています。

このオリンピックも追い風となり、ミュージアムをはじめとした観光施設にも多くの外国人観光客がやってくることが予想されます。

COOL JAPAN から VISIT JAPAN へ

フランスをはじめとして、海外では日本のマンガやアニメなどのサブカルチャー文化は依然として根強い人気がありますが、海外ではアニメやマンガだけが人気なのでしょうか?

決してそんなことはありません。海外で活躍する日本の現代アーティストも多く存在しています。それは外国人からすれば自国にいても触れることができる「日本文化」なのです。

そしてより詳しく日本を知りたいと考えたとき、外国人観光客はCOOL JAPAN から VISIT JAPAN へとシフトします。

東京オリンピック以降は?

オリンピックは長い準備期間を経て、大会自体は数ヶ月で終了します。

では、その後は外国人観光客は激減するのでしょうか?もし色々な企業や施設、自治体が「オリンピックがあるからお金をかけて準備しよう」と考えているなら、観光客数が減ってしまえばその後は想像もしたくないはずです。いわゆる「オリンピック特需」で終わってしまうのでしょうか。

ミュージアムとして、そう考えるのは妥当ではありません。

極端な表現ですが、「東京オリンピックがあってもなくても、外国人観光客対策を粛々と進めておく」ことが大切なのです。

2020年 東京オリンピックを第一の目的としてしまうと、それが終了した途端に目標を失ってしまいます。

このように、日本全国のミュージアムを取り巻く状況というのは決して楽観視だけではいけませんが、これらは適切な目標設定と適切な打ち手を続けていけば、むしろ美術館や博物館にとっては追い風となるでしょう。

「世界から愛される美術館」になるためには

では、どうすれば東京オリンピック以降も外国人観光客がやってきて、彼らがリピーターとなってくれるのでしょうか?

まず最初に大切なのは、「どんな美術館を目指すか」ということです。

日本には歴史や伝統のある美術館、新設の美術館、一風変わった美術館など様々なスタイルの美術館があります。しかし、どの美術館もこの想いは同じでしょう。

「世界中から観光客が日本にやってきて、そして自分たちの美術館を訪れてくれる。それによって日本の素晴らしさを伝えたい」

これはつまりフランスのルーブル美術館のように「世界中から愛される美術館」になることです。なぜなら世界中から愛される美術館は、同時に「日本人にも愛される美術館」であるはずだからです。

私たちはそのための方法やプロセスを共に考え、共に実行していきたいと考えています。

私たちの想いと私たちができること

私たちは「大切な想いをつなぐ」という経営理念のもと、美術に関わる方々の「想い」を理解し、相手に伝え、そして未来へとつないでいくお手伝いをしております。

経営理念

美術館様の作品解説やガイドブック、表示案内、また動画の字幕翻訳、ギャラリートークなどをお手伝いするのは、私たちも「日本の伝統、美術の素晴らしさを正しく伝え、未来へと想いをつなぎたい」と考えているからです。

そしてそのためにも適切なインバウンド対策をご提供しています。具体的なインバウンド対策サービスについては以下のページをご覧ください。

こんなお客様に向いています

本サービスプランは、ミュージアムの大小問わず様々なお悩みに対応いたします。

「そもそも外国人観光客への対策が必要なの?」

「自分たちで進めているが今のやり方があっているのかどうか不安だ」

「具体的に検討していることがある」

「インバウンド対策はしないといけないと感じているが、何からはじめればいいのかわからない」

なお、現在はコンサルティングプランもご用意しておりますのでお気軽にお問い合わせください。

ミュージアム専門 インバウンド コンサルティングプラン

インバウンド対策 導入事例:紙の博物館様

まとめ

日本の美術館は海外の美術館と比較して多くの予算があるわけでもありません。また、「観光立国」という考え方もまだまだ新しいため、本腰を入れて(資本等)色々な事を一気に準備する事は難しい状況にあります。

しかし、オリンピックをひとつのピークとして、外国人観光客は続々と来日しています。国が、政府がという前にまず自分たちでできることから始めていく事が重要なのです。

私たちはそのためのサポートをし、外国人観光客が増加しても日本の美術を楽しんでいただき、そして後ろ髪をひかれながら帰国し、「また来たい」と思ってもらえるような美術館を目指すお手伝いができたらと考えています。

そして私たちは、今回翻訳や通訳のみならず、「集客」からのサービス提供をすることで、美術館様にとってワンストップで相談、依頼できる体制を整えました。

ぜひこの機会に「世界から愛される美術館」への道のりを目指してみてはいかがでしょうか。

inbound_inquiry

 


インバウンド対策は何語から始めるべきか

Banner_Inbound_language

コロナ後、改めて拡大するインバウンド業界

数年前にコロナウィルスが猛威を振るいました。そしてコロナ期間中は外国人観光客数が激減したのは記憶に新しいところです。

しかし 2023年頃から徐々に観光客数も回復し、また円安等の影響もあり、観光客数は一気に海部の基調にあります。

恐らく今後も外国人の訪日数は増えるでしょう。インバウンド業界はまだまだ大きくなるということです。

言葉の壁を乗り越える

では、この拡大するインバウンド業界で、どのように差別化を図ればいいのか、そしてどのように表現すればいいのかを考えたとき、まず真っ先に浮かぶのが「言葉の壁」を取り除くということです。

この言葉の壁を取り除くことは観光客側も強く望んでいることでもあります。なぜなら、私たち日本人が海外旅行に行ったときに感じることと同じだからです。

どの国にいってもワクワクとドキドキがあります。だからこそ旅行は楽しいわけですが、もしそこに多少なりとも日本語表記のあるお店があったり、片言でも日本語を話せるスタッフがいたら、距離がぐっと縮まるのではないでしょうか。特に、ここ数年の外国人観光客の困りごとは「コミュニケーション」にシフトしています。

ここから分かる通り彼らも同じなのです。だからこそ、言葉の壁をできるだけ取り除いてあげることが重要になるのです。

データから読み取る言語の比率

では、訪日観光客は、いったいどの国からきているのでしょう。

日本政府観光局(JNTO) の調査によれば、近年は以下のような比率になっています。

訪日外客数の動向:日本政府観光局(JNTO)

http://www.jnto.go.jp/jpn/reference/tourism_data/visitor_trends/

訪日観光客の推移

https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/marketingdata_tourists_after_vj.pdf

アジア圏からの観光客はこれからも増えるでしょう。元々近隣ですから日本に来やすいというのはありますし、円安や免税効果なども大きいでしょう。さらに日本政府が国を挙げて誘致しているということも大きな後押しになっていると考えられます。

とはいえ、消費額ランキングを見ると欧米の観光客のほうが多くお金を使っているため、日本政府としても欧米豪圏へのプロモーションを強くしようと動き出しています。(欧米豪市場準備室:http://www.mlit.go.jp/kankocho/about/soshiki.html

つまり、アジアの観光客、アメリカの観光客、ヨーロッパの観光客のそれぞれに対しての言語を準備していく必要があります。

インバウンド対策としての多言語を絞る

具体的な言語としては、以下が挙げられます。

  1. 英語
  2. 中国語(簡体字、繁体字)
  3. 韓国語
  4. 主要なアジア言語(タイ語など)
  5. 主要なヨーロッパ言語(フランス語、スペイン語、ドイツ語など)

すべての言語を翻訳して対応しようというのはさまざまな面から無理がありますので、まずは主要なものから抑えていくべきでしょう。

この順番で対応するのが王道

1. 英語

flag_en

国別の観光客数で見ると中国が一番なので、中国語へ翻訳するのが一番効果がありそうですが、それよりも英語の方が実は効果は高いです。

なぜなら中国語は中国人しか理解できませんが、英語は中国人も韓国人も我々日本人も理解できる確率が高まるからです。分母が桁違いに大きいためです。

また、英語にしておけばヨーロッパ圏もアメリカ圏もまとめて対応できることになりますので、コストパフォーマンス上、最も効果的であると言えます。

ただし、それだけ広く多くの人々が見るものになるので、ヘタな英語を作ってしまうと、マイナスの影響度もはるかに大きくなりますので、品質には注意が必要です。

英語 翻訳サービス

2. 中国語(簡体字、繁体字)

flag_cha

英語の次は中国語です。簡体字と繁体字のどちらが必要なのか、それとも両方準備したほうがいいのか、しっかり考えましょう。

中国人は特に「爆買い」も下火になってはいますが、購買力は高いままです。どちらかというと観光よりも買い物中心です。

そこから考えると対策すべきドキュメント類や業種も少し変わってくるのかもしれません。

中国語(繁体字、簡体字)翻訳サービス

3. 韓国語

flag_ko

中国人と同様に、韓国人も多く来日しています。ですから、韓国語への翻訳は必須項目でしょう。

韓国語 翻訳サービス

4. 主要なアジア言語(主にタイ語が狙い目)

flag_thai

主要なアジア言語といってもピンとこないと思います。この統計から考えると、次に翻訳すべきはタイ語です。タイからの観光客数は年々増加しています。元々親日が多いタイ人が日本に旅行に来るというのは自然な流れかもしれません。

タイの旧正月(ソンクラーン)は、日本の春にあたりますので、そのあたりをしっかりとアピールし、タイ語への翻訳を行うことで、より訴求力の高いアピールができるのではないでしょうか。

タイ語 翻訳サービス

5. 主要なヨーロッパ言語

上記のアジア言語は、直近の増加しているアジア人への対応として必須ですが、英語以外の言語である、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、フランス語、ロシア語などの翻訳も大切です。

多言語翻訳

ただ観光客数から考えるとアジア言語に比べて優先順位は落ちてしまいますが、それでも少しずつ対応が求められるでしょう。ただし、英語を理解する人も多いので、それで何とかなってしまうというケースも多いようです。

まとめ

  • インバウンド対策として重要な「言葉の壁」の問題は、多言語の翻訳を行ったり、スタッフの教育を行わなければならない。中長期的な視点からの多言語翻訳が必要になる
  • 翻訳しなければならない言語は、英語、中国語、韓国語がトップ3となる
  • 欧米圏からの観光客も増えており、特にスペイン語、ポルトガル語、フランス語は優先的に翻訳したい
  • 多言語を一度に翻訳しようとすると大きなコストがかかるため、重要な言語から少しずつ進めていくのがよい
  • まとめて3言語以上を同時に発注したい場合には、「翻訳まとめてお得プラン」がオススメ。

多言語翻訳まとめてお得プラン

 

inbound_inquiry


「翻訳なんて誰がやっても一緒」だが、誰もが「言葉に魂を込めている」ものを求めている

speech

職業に貴賎なし

「翻訳なんて、結局、誰がやっても一緒でしょ」

と、はっきりと面と向かって言われたことがあります。この発言をしたクライアントは、有名企業に勤める部長クラスの方でした。

打ち合わせの中で、金額やスケジュール、品質のバランスを一通りご説明し終わっての発言でした。

少なくとも立場的には(おそらく)現場レベルではないと思いますので、その場合は金額とスケジュールに重きが置かれます。それはとても理解できますが、ここまではっきりと、面と向かって言われるという経験は後にも先にもありませんでしたのでとてもビックリしたのを覚えています。

本来、「職業に貴賎なし」と言いますが、翻訳サービスや翻訳業界、翻訳者を下に見ているのではないかと強く感じたのも事実です。

原因は、「伝わっていない、理解されていない」こと

正直申し上げて、この方がおっしゃった発言は決して気持ちの良いものではありませんし、もっと言えば「侮辱されている」と感じたのも事実です。もちろんそのご本人にはその気はないのでしょう。もし気にかけているならこういう発言自体をしないだろうからです。

翻訳や通訳は、2カ国以上をさまざまなレベルで繋げることのできるコミュニケーションツールです。

残念ながらこういう発想を持っていないからこそ「つい」出てくる言葉だと思います。

ちなみに、その時に同席されていたのは、翻訳のことをよく知っている方(現場担当者)で、この発言の瞬間に非常に気まずい表情をしていたのも大変印象的でした。

ここで、私たちが勘違いしてはいけないのは、この部長さんが悪いかというと決してそういう訳でもないということです。

まずはじめに、この方は現場の人ではありません。マネジメントクラスの方なので、コスト管理、リソース管理、スケジュール管理といった「マネジメント」が主たる業務であり、(これは予想ですが)恐らく、翻訳会社だけでなく、さまざまな業者に対して「○○なんて誰がやっても一緒だよ」という発言をしていると思われます。もっと言えば、それは単なる口癖なのかもしれません。

ただ、こちらとしては、言われた瞬間にそこまで想像することは難しいですし、そんなに心を広く持っているわけではありません。ただ、今から考えると背景事情があるのかなと想像できるわけです。

ほかの仕事や業種は分かりませんが、殊、翻訳という仕事に関して言えば、ほとんど「知られていない」のが現状ではないでしょうか。

一般の人が「翻訳や通訳」という言葉を聞いたときに何を想像するのか

「翻訳を仕事にしています」と言えば、「すごいね~」とか「英語話せるの!」といった回答が多くなると思います。

すごいかどうかは主観なのでそれは別として、「英語が話せる」というのは翻訳とは一切関係ありません。あえて関係あるとするなら通訳でしょうか。

「翻訳力」とは何か

揚げ足を取りたいわけではなく、つまり、翻訳はそれだけ「一般の人には知られていない」という厳然たる事実がそこにあるということです。

ですから、知らない人からすれば「翻訳なんて誰がやっても一緒」という発想になっても何ら不思議なことではありません。冒頭の発言をした人に腹を立てても仕方ないのです。

私たちは、考える基点をここに持ってくる必要があるのではないでしょうか。

「言葉に魂を込めていますよね」という言葉

また、一方でこんなことを言われたこともあります。

「翻訳って言葉に魂を込める仕事ですよね」

そう、その通り!と言いたくなる気持ちもありますが、このような発言をするのは、ほとんどの場合、翻訳のコツやツボを知っている人です。かつて翻訳業界で仕事をしていたとか、自身が翻訳者だったとか、または翻訳の担当窓口などでしょう。

現場に近い方は、自分でも翻訳したり、レビューしたりするので、翻訳という業務を(上述の部長さんのようには)バカにしません。

翻訳の難しさと面白さを知っているからです。

この方のおっしゃっていた「言葉に魂を吹き込む」というのは、とてもよい表現だと思いますし、実際、その通りだと思います。できることならこういうお客様とだけお付き合いしたいと思うのも本音ですし、こういった方がある程度の権限をお持ちの場合には、仕事が非常にやりやすくなり、結果としてかなり高品質の翻訳・通訳サービスを提供することができます。まさに Win-Win の関係を作りやすくなります。

ビジネスとして成立するのは、圧倒的に前者が多いという事実

しかしながら、決裁者が完全な理解を示してくれるということは稀です。

弊社で取り扱っている翻訳サービスはボランティアではありません。そのため「価値=価格」や「価値>価格」という式が成立しなければなりません。

ビジネスとして成立させるとき、価格や予算の決定は、先ほど登場した部長さんのような立場の方が決めることがほとんどです(現場からの進言はあるとしても決定権は現場にないことが多い)。

企業にとってはどんな仕事でもコストを下げることは至上命題です。翻訳サービスもそのひとつでしかありません。全体の中の一部なのです。

私たちが、どんなに「安かろう悪かろうだと、御社のレビューが大変になるから余計な時間がかかってしまいますよ」と言ったところで伝わりません。これらは現場レベルには理解されますが、マネジメントクラスになるとまったく異なる力学やロジックが働くことがあるため、「とにかく安く」なっていればいいということも往々にしてあります。

どんなビジネスでも「お金」は大変重要なファクターです。

そして、このことは(翻訳や通訳サービスに限らず)現実にどこでも起きていることですし、そもそも自分たちでどうにかできる問題ではありません。完全にコントロール外の出来事になります。

色々な「お客様」がいることを理解する

大切なのは「お客様」という括りでも、相手の立場によって権限が変わり、大切にするものの優先順位が変わってしまうという事実をしっかりと理解することです。

  • マネジメントレベル:コスト優先、スケジュール優先
  • 現場レベル:品質優先

上記は極端な例ですが、こういう認識を持った上で、私たちが何をすべきか、何ができるかを把握することが重要です。簡単に言えば、以下の2点に集約されるでしょう。

  1. 良い翻訳を心がけること、そしてその努力を継続すること
  2. お客様(特にマネジメントレベル)に説明を怠らないこと

 

例えば、「こんなポイントがありますよ」「このあたりに気をつけると見積金額も抑えられますよ」ときちんと価値を説明し提供することも大切です。

コンスタントに良い品質の訳文を手に入れるための 5 つのポイント

翻訳の見積もりに必要な6つのポイント

どちらか一方だけになってしまうと、文字通り、片手落ちになります。

翻訳は分かりにくい商品であるため、クライアントの理解度にも大きな差があります。それらのギャップを少しずつ埋めていくことは、とても大切な作業だと言えます。

「ウチの翻訳には間違いない」「ワタシが翻訳しているんだから高くても当然だ」というロジックは、作り手のみのロジックで、これだけでは片手落ちになってしまいます。作り手はその情熱を注ぎ続けているからこそ、そう思うのは当然ですが、買い手はそこまで含めて理解してくれることは(特にマネジメントレベルでは)ほとんどありません。

だからこそ、私たちはそのギャップを埋めていかなくてはならないのです。

「翻訳なんて誰がやっても一緒」という言葉を発する人も、結果的に「言葉に魂を込めている」という言葉に感動するのは事実ですし、それをないがしろにすることはできないはずです。

ちなみに、「言葉に魂を込めている」という人は「翻訳なんて誰がやっても一緒だ」とは言いません。

なぜなら、「翻訳」というサービスに価値を置くかどうか、またどのくらいの価値があると考えているかどうかが問われているからです。

特に、Web全盛のこの時代では、言葉の品質はダイレクトにビジネスに影響を与えることになります。SEO 然り、ライティング然り、表現が変われば相手に与える印象が大きく変わってしまうのです。

そしてこのことは決して他人事ではなく、私たちにも当てはまることですから、どうやったらより高い価値を提供できる翻訳サービスを開発できるのか、どうすれば満足度の高い通訳サービスを提供できるかといったことを常に考えなくてはならないのではないでしょうか。

そして、そういったことが業界の底上げに繋がるのではないかと感じています。

弊社も翻訳業界だけの常識にとらわれることなく、業界以外の方の理解を促すように努力をしていきたいと考えております。

そのひとつの取り組みとして翻訳者のタマゴ、翻訳者になりたい方のための「プロフェッショナル翻訳者への道」という Podcast 番組を配信していますので、ご興味があればお聞きください。

参考:Podcast「プロフェッショナル翻訳者への道」

coverart

 

「翻訳なんて誰がやっても一緒だよ」と発言する人はこれからも出てくるでしょう。そしてその度に腹を立てても、否定してもあまり意味はありません。そうではなく、「翻訳サービスって言葉に魂を込める素晴らしい仕事ですよね」という人を、どうやって増やすのかを考え行動しなければならないのではないでしょうか。

翻訳・通訳・ローカライズ全般のお問い合わせ

160508-www-bnr_03


インバウンド担当者なら抑えておきたいWebサイトまとめ

Banner_InboundWeb

どんな業種も、インバウンドという切り口でビジネスチャンスがある時代。しかしだからこそ他社との差別化をしなければ多くのライバルに打ち克つことはできません。どんな仕事も、最初は「知る」ことです。イメージだけではなく、しっかりと数字を抑えておくことが重要です。

多くの企業が参入するのは、そこに巨大なマーケット=ビジネスチャンスがあるからです。今回はインバウンド担当者になったら抑えておきたい Web サイトをご紹介します。

政府・官公庁関係サイト

官公庁による Web サイトのため、オフィシャルな数字や統計を見ることができます。公式発表などはこれらの数字や根拠が元になっていますので、様々な分析はこれらのサイトを見て行うことが最適です。

国土交通省 観光庁

http://www.mlit.go.jp/kankocho/

日本政府観光局

http://www.jnto.go.jp/jpn/

DISCOVER the SPIRIT of JAPAN

http://www.visitjapan.jp/ja/


観光関係団体サイト

観光客は、ビジネス出張よりも訪日客の中で多い割合を占めています。そのため、観光スポット、体験型施設やイベント、旅館やホテルなどの宿泊施設、さらに交通機関など、さまざまな側面でビジネスチャンスがあると言えます。インバウンド担当者としては、最新情報を取得したり、セミナーやイベント等に参加することが重要です。

日本観光振興協会

http://www.nihon-kankou.or.jp/home/

ジャパンショッピングツーリズム協会

http://jsto.or.jp/

日本海外ツアーオペレーター協会

http://www.otoa.com/

アジアインバウンド観光協会

http://shadanaiso.net/

日本旅行業協会

https://www.jata-net.or.jp/

自治体国際化協会

http://www.clair.or.jp/

GO TOKYO

http://www.gotokyo.org/jp/

多言語サービスサイト

インバウンド対策の中で重要な対策のひとつが「言語」です。中国語、韓国語をはじめ、タイ語や英語などとあらゆる言語での多言語対応が重要となります。また Web サイトやカタログ、パンフレット、地図などは多言語翻訳をしておく必要も出てきます。

日本観光通訳協会

http://www.jga21c.or.jp/

全日本通訳案内士連盟

http://jfg.jp/

トライベクトル株式会社

インバウンド多言語翻訳サービス

インバウンドとは何か(初心者向け)

「飲食店向け接客英会話」セミナーのご案内(終了いたしました)

インバウンド情報メディアサイト

インバウンドに関するさまざまな最新情報を抑えるならこれらの情報サイトは欠かせません。

訪日ラボ

https://honichi.com/

トラベルボイス

http://www.travelvoice.jp/

やまとごころ.jp

http://www.yamatogokoro.jp/

ジャパンガイド

https://www.japan-guide.com/

ツナグジャパン

https://www.tsunagujapan.com/

MATCHA(マッチャ)

https://matcha-jp.com/jp/

インバウンド関連 展示会

実際にインバウンドビジネスをスタートするにあたり、展示会へ出展したり、また参加するだけでもその勢いを感じることはできるでしょう。

インバウンドマーケット EXPO

https://www.jma.or.jp/ime/

ツーリズム EXPO ジャパン

http://www.t-expo.jp/

外客対応・対策EXPO

http://www.jma.or.jp/gaikyaku/index.html

 

まとめ

いかがでしょうか。

「インバウンドビジネスとして、自分たちは何ができるのか?」というのは、つまり、情報を収集し、しっかりターゲットを設定し、それに向かって行動することです。

「訪日観光客数がどんどん増えているらしいから何かやろう」というだけで何かをすることはできませんし、出来たとしても長続きしないでしょう。

明確な目的(ターゲットやゴール)を設定し、そのためにどういう方法で、どういう手順で進めていくのかを考え実行するようにしましょう。

inbound_inquiry