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正しい修正指示の方法

正しい修正指示の方法

貴社への実際の翻訳物の納品では、初校時に PDF ファイルをお渡ししております。その際に、「どのように修正指示を入れたらいいか分からない」という方のために、修正指示の目的とその具体的な方法をお知らせいたします。

また、指示の入れ方は翻訳・ローカライズ サービスだけではなく、広くその他の業務(カタログ制作や Webサイト(ホームページ)制作等)にも有効に活用できますので、知っておいて損はありません。

そもそも、修正指示の目的は何か?

そもそも、修正作業は何のために行うのでしょうか?それは、一刻も早くドキュメントを完成させ、貴社製品やサービスをマニュアルと共に出荷していただくことが目的のはずです。

そのために対象のドキュメントを「正しく修正する」ことが必要になるのです。

複数の意味を示唆してしまうような修正指示であると、弊社の DTP オペレーターが混乱し、スムーズに修正を行うことができません。結果、その都度ご確認をしなければならなくなり貴社にご迷惑をかけてしまうことになりかねません。

貴社のドキュメントを素早く完成させるためには、ご希望の形をオペレーターに正しく伝えることであり、その結果としてその後の確認作業もスムースになるのです。

PDF ファイルに修正指示を入れる際の注意点

主にデータでのやり取りが多くなるため、Adobe Acrobat の注釈機能を利用して修正指示を入れていきます。

その際、もっとも注意しなければならないのは、「どこからどこまでをどのように修正するのか」ということを明確にすることです。

自分だけが分かる指示では、修正作業も困難になってしまうため余計な時間やコストがかかってしまうことになります。お互いに損をしてしまう結果になりかねません。これでは当初の目的である「スムースな修正、納品、そしてリリース」の流れを止めてしまいますので、できるだけ分かりやすい指示を入れるというご協力をお願いいたします。

修正指示の種類

印刷等で使用される正式な校正記号は数多くありますが、基本的な校正記号を使うだけでも充分に対応可能です。

正しい校正記号を使うこと自体が目的ではなく、正しい指示を出し、間違いなく修正することが目的ですので、履き違えないようにすることが大切です。

修正指示のサンプル PDF

以下に、修正指示のサンプル PDF をご用意いたしましたので、ダウンロードしてご確認下さい。

⇒ サンプル PDF をダウンロードする

トライベクトルの翻訳・ローカライズ サービスについて

トライベクトルでは翻訳作業にもならず、上記のように修正指示の発生しやすい DTP、Webサイト(ホームページ)制作、印刷、納品までのフィニッシュワークに至るまでのトータルサポートをご提供しております。

翻訳・ローカライズサービス、翻訳コンサルティング サービスについてはお気軽にお問い合わせ下さい。

 


翻訳、ローカライズのフィードバックの重要性

翻訳、ローカライズのフィードバックの重要性

フィードバックと一言で言ってもその用途や意味は広く、さまざまな状況下で使用されています。そして翻訳、ローカライズというビジネスにおいてもお客様からのフィードバックが非常に重要であることは間違いありません。

なぜそれほどまでにフィードバックが大切なのか、それを考えてみましょう。

翻訳、ローカライズにおけるフィードバックとは

作り手にとって第三者による使用感、感想といったものは製品やサービスの改善のヒントとなることが多く、あらゆる業界で「現場の声」「使用者の声」や「アンケート」などを重要視しているのは説明の必要もありません。

これは、翻訳、ローカライズにおいてもそれはまったく同様です。
特に初めてのお取引となる場合にはフィードバックは不可欠な要素とであり、フィードバックをもとにした改善作業を行うことで次回以降の翻訳やローカライズの品質改善に役立てることが可能になります。

※ここで言うフィードバックというのは、翻訳の品質として標準的な水準を満たしているというのが前提条件になります。

お客様が翻訳会社にフィードバックをすることで得られる効果

例えば、人事教育でも製品開発でも、適切なフィードバックが重要であることは先に述べました。特に、具体的な改善点を発見するヒントとなるのは、ポジティブフィードバックではなく、ネガティブフィードバックの方が多いといえます。

それはつまり、ネガティブフィードバックはより「具体的」であるためです。

・「ここが悪かった」

・「この点に改善の余地が見られた」

・「こうした方がいいのではないか?」

といった具体的なフィードバックは、貴社の翻訳・ローカライズの目指すべき方向性を把握しやすくしてくれます。弊社がお客様の取り扱う商品、製品、サービスについてまったく同等の背景知識を持っているわけではありませんが、その「方向性」や「好み」を分析し、徐々に近づけていく努力はできるのです。

翻訳、ローカライズの品質とは

 

こういった作業は、貴社のご協力の上で成り立つものですので、最初はお手間を取らせてしまうことになりかねません。しかしながら、長期的に考えれば貴社にとってのメリットが顕在化してくるのです。例えば、

・徐々にだが確実に翻訳・ローカライズの品質が向上する

・貴社の方向性や好みに合った訳文になり始める

・将来的に貴社の翻訳チェック作業、レビュー作業の負荷が軽減される

・貴社からのフィードバックの頻度が低減する

といったことが挙げられます。

もちろんわざわざ大掛かりにしなくても、翻訳をご覧いただき気になった点だけでもお伝えいただくことで翻訳者、翻訳会社は 1 つの指針を得ることになります。

そしてそこから翻訳の法則や文体を解析し、貴社のお好みに合わせていくということが可能になるのです。

翻訳やローカライズサービスにおいて、お客様の方向性やお好みというのは多岐にわたるため、その都度確認しなければなりません。一定の水準を満たしているからそれで満足というケースを除けば、貴社にとって最大のメリットは「貴社のチェック作業やレビュー作業が徐々に楽になっていく」ことではないでしょうか。

そのためにも重要なフィードバックについて、再考してみてはいかがでしょうか。

トライベクトルの翻訳、ローカライズ サービスについて

トライベクトルでは、上記のように翻訳、ローカライズの全工程における品質の向上に取り組み続けています。また、翻訳者をはじめとした弊社パートナー様と一緒に、お客様にご満足いただけるサービスをご提供するための取り組みを続けております。

翻訳、ローカライズサービス、翻訳コンサルティング サービスについてはお気軽にお問い合わせ下さい。


文字コードについて知る

文字コードについて知る

Webサイトローカライズ(ホームページ翻訳)やソフトウェアローカライズ、または多言語翻訳において欠かせないポイントの 1 つに、文字コードに関する理解があります。

文字コードは普段何気なく使用している Webサイト(ホームページ)、電子メールなど、さまざまなところで設定され、文字化けの不安もなく使用されています。

文字情報によるコミュニケーションでは、文字化けは伝達能力がゼロ(もしくはマイナス)になりますので、ビジネスでは致命的といわざるを得ません。

そのためにも、基本的な文字コードをしっかりと理解していくことが必要です。文字コードすべてを網羅することは難しいですが、ここでは現在の代表的な文字コードについて、重点的に見ていきましょう。

特に、母国語である日本語の文字コードを知っておくことはプラスになってもマイナスになることはありません。

文字コードは、英語をはじめとするシングルバイト圏、日本語をはじめとするダブルバイト圏などの、多言語間での言語表示において大変重要なポイントでもあります。

文字の種類

文字は、日本工業規格(JIS 規格)により決められ、以下の 4 つの種類に分けられています。

  • JIS カナ
  • JIS 漢字
  • JIS ローマ字
  • JIS 補助漢字

文字コードの種類

現在、主な文字コードの種類は以下の 4 種類が挙げられます。

  • シフト JIS(=MS 漢字コード)
  • JIS コード
  • EUC コード
  • UniCode(ユニコード)

これらの文字コードについて、それぞれ順にご説明します。

文字コードの種類解説
シフト JIS コードMicrosoft 社が決定した文字コードです。Windows にて使用されています。シフト JIS コードではエスケープシーケンスを使用しません。
JIS コードJIS コードは 7 ビットで表現されます。文字の切り替えにはエスケープシーケンスを使用しています。JIS(日本工業規格)によって標準化されている文字コードです。身近なところでは、インターネットで日本語の電子メールなどで使用されています。
EUC コードUNIX 環境で使用されていることが多い文字コードです。複数バイト言語の各国の文字コードを規定しており、エスケープシーケンスは使用していません。特に、日本語の EUC コードを「EUC-JP」などと表現することがあります。各国の文字コードなので、日本語 EUC だけでなく、韓国語 EUC や中国語 EUC などもあります。
GB コード、BIG5 コードGB コードは中国語の簡体字を表記する際に使用する文字コードで、BIG5 コードは中国語の繁体字を表記する際に使用する文字コードです。
UniCode(ユニコード)ユニコード・コンソーシアムという組織によって定められた文字コードです。あらゆる言語のすべての文字を 16 ビットで表現し、この 1 つの文字コードをベースにして、多国語のコード処理を行ないます。主要な言語はほぼ網羅されています。

私たちは以上のような文字コードを、普段はまったく意識せずに使用しているわけです。 しかし、貴社の Web サイトや、E メールでのやり取りから始まり、ソフトウェアをローカライズする際、またWeb サイトをローカライズする際などにも文字コードは重要なポイントなのです。

※エスケープシーケンスとは、エスケープコードと制御文字の組み合わせで表現する、正規表現の特殊文字のこと

このように、事前に文字コードを確認しておくことで「ローカライズ後に文字化けしてしまった」ということのないようにしましょう。

ローカライズサービスについて

Webサイトローカライズ(ホームページ翻訳)、ソフトウェアローカライズ、UI 翻訳、UI ローカライズ、または多言語翻訳などのローカライズサービスについては、以下のページも合わせてご覧ください。

ローカライズとは

Webサイト ローカライズ

トライベクトルの翻訳・ローカライズ サービス

英語、日本語だけでなく、韓国語や中国語など、各言語はそれぞれ異なる文字コード体系を持っています。

翻訳後には、異なる言語になるわけですから、その文字コードも変更になるのは言うまでもありません。文字コードの変更をはじめとしたローカライズにおける主要なポイントを正しく抑えた上で、翻訳やローカライズ サービスをご提供しています。

Webサイトローカライズ(ホームページ翻訳)、ソフトウェアローカライズ、多言語翻訳に関してはお気軽にお問い合わせ下さい。


翻訳に役に立つ参考資料とは

翻訳に役に立つ参考資料とは

翻訳やローカライズ作業を行う際に、1 つの指針として重要になる参考資料や SDL TRADOS(トラドス)の Translation Memory。これらをどう扱えば翻訳、ローカライズ業務に有効なのかを考えてみましょう。

良い参考資料、悪い参考資料とは?

翻訳やローカライズにおいて、新しいビジネス、新しいお客様とのお取引は、特に注意すべき事項や確認すべき事項が多くなります。

翻訳作業前に確認すべき項目の中でも SDL TRADOS(トラドス)の Translation Memory(TM)や、参考資料をどう取り扱えばいいのかという点は企業ごとに異なります。そのため、まずは以下の点について確認が必要になります。

・お借りする TM(Translation Memory) や参考資料内での一貫性は取れているか?

・そもそも貴社が信用できる翻訳の品質となっているか?

少なくともこれらの基準をクリアしていなければなりません。

例えば部署ごとに、用語や表記の揺れがある場合には、対象の翻訳、ローカライズドキュメントはどれに従うべきかを事前に確認しなければ翻訳作業時に混乱を来たしてしまうばかりか、結果として貴社にご迷惑をかけてしまうことにもなります。

つまり、「どれに従えばいいのか判断に迷う」状態を作り出すことにより、かえって翻訳の品質を下げてしまいかねないのです。

TM の精度について

 

翻訳、ローカライズ作業に役に立つ、つまり良い参考資料というのは上記の条件を満たしているもののことであり、残念ながらそうでない資料というのはその取り扱いが非常に難しくなってしまいます。

この点においては、翻訳作業前の事前のお打ち合わせにより解消しておくことが必須となります。

良い参考資料とは「信頼できる品質であること」であり、「用語や表現が統一されている」ことなのです。

その逆の場合には、残念ながらあまり効果的とは言えません。

そのため、不要な資料や余分な資料は極力避ける、もしくは優先順位をつけるなどの対策が必要になります。

「参考」の意味を取り違えないこと

参考資料としてお借りしたドキュメントや旧データ。翻訳やローカライズ作業の際に、これらの参考資料ににどこまで従うのかなども大切なポイントです。

・用語や表記スタイルまで完全に従う場合

・内容の理解のための資料の場合

「参考」という意味を取り違えてしまうと、翻訳作業での方向性も変わってしまうことがあるため、事前に貴社、弊社ならびに翻訳者の三者間でのコンセンサスをとっておく必要があります。

SDL TRADOS(トラドス) Translation Memory 内の品質について

SDL TRADOS(トラドス) の Translation Memory においても上記に類似したことが言えます。TRADOS(トラドス)の特性である「旧版の品質をそのまま流用する」ことができるのは、大きなメリットですが、翻訳の品質の信頼性が低い場合にはその品質を引き継いでしまうことになります。

それは TRADOS(トラドス)の大きなメリットの 1 つである「翻訳の流用」がまったく逆の結果を生み、信頼できない訳文を踏襲、流用しながらバージョンアップを繰り返すことになるため、結果として貴社にご迷惑がかかる上、満足度の低い翻訳、ローカライズになりかねません。

こうなってしまうと、翻訳やローカライズ作業のみならず様々な疑問点、問題が出る可能性が高くなります。DTP やコーディングなどの後工程にも大きな影響を与える事になりますので注意が必要です。

TM の精度について

トライベクトルの翻訳・ローカライズ サービスについて

TRADOS(トラドス)Translation Memory(TM)や参考資料を有効活用し、貴社がご満足できるドキュメント制作を行うためのフルサポートを行っております。

翻訳、ローカライズサービス、翻訳コンサルティング サービスについてはお気軽にお問い合わせ下さい。


意外と知らない翻訳の注意点

意外と知らない翻訳の注意点

これまでのお取引の中で、共通している「翻訳・ローカライズ作業前のご注意点」についてまとめております。

業種問わず、共通するケースをご参考にしていただき、スムースな翻訳、ローカライズのお見積り、ご発注を実現してください。
特に翻訳お見積り時とご発注前後に見られる、意外と知られていない点をお知らせします。

翻訳は、「1 文字いくら、1 ワードいくら」の世界

翻訳、ローカライズというビジネスの基本は、「1 文字いくら、1 ワードいくら」をベースとして成り立っています。基本的にこの方法にてお見積り金額やスケジュールの算出を行っております。

そのため、ご発注後に翻訳対象原稿が変更になってしまうと文字数やワード数をカウントしなおす必要が出てきます。 これはつまり、

・翻訳見積もり金額の変更

・翻訳スケジュールの変更

に直接影響を与えることになります。

それはダイレクトに貴社へのチャージという形になりますので、このようなことを避けるためにも、翻訳対象原稿の変更はできるだけ少なく、翻訳会社への連絡前に、できれば確定させるぜひともご注意いただきたい点の 1 つとなります。

弊社としましても、このような事態は極力避けるべく、ご確認をさせて頂いておりますが、予期せぬ翻訳対象原稿の変更の連続は、コストやスケジュールだけでなく、翻訳そのものの品質にも影響を与えてしまうことがあります。

ご発注後にスムースに翻訳作業を進めるために、ぜひとも貴社にて翻訳対象原稿の再度のご確認をお願いいたします。

※紙原稿しかない、画像ファイルしかない場合にはこの限りではありません。

PDF ファイルと元データのバージョンが違う

「翻訳対象ファイルのバージョンが異なる」

このケースもよく見かけられます。PDF を先にお借りするケースで「バージョン違い」によるトラブルが起きることがあります。例えば、以下のような流れで翻訳のお見積りを作成する場合です。

  1. PDF ファイルをお借りする
  2. 概算翻訳お見積りを作成する
  3. PDF ファイルの元データ(InDesign や FrameMaker、Word 等)をお借りして再度正式なお見積りを作成する

概算お見積りと正式なお見積りとでは、多少の金額の差が出ることがあります。それは翻訳不要箇所などもハッキリするためですが、問題はそこではありません。

仮に PDF のバージョンが 1.0 だったとして、実際の翻訳対象ファイルがバージョン 1.1 となるマイナーバージョンアップの場合には、ほとんど見た目が同じで変更箇所に気がつかない場合があります。

ブローシャやカタログなどではあまり見られませんが、マニュアル翻訳の場合には、このケースに当てはまることがあります。つまり、

PDF のマニュアル = 元データ(InDesign や FrameMaker 等)のマニュアル

となっていない場合を指します。

通常、翻訳お見積り自体は上記の元データに基づき算出し、作業対象も当然ながら元データとなります。しかし以下のような場合には、何度かのデータの確認が必要になってきます。

パターン A
PDF ファイルのバージョン古い1 つ前のバージョン
元データ(FrameMaker、InDesign、Word 等)新しい最新のバージョン

パターン B
PDF ファイルのバージョン新しい最新のバージョン
元データ(FrameMaker、InDesign、Word 等)古い1 つ前のバージョン

このように、データ間でバージョンに違いがあると、ドキュメントの内容が異なるためカウントのやり直しやデータの確認などが発生し、スムースに翻訳、ローカライズを進めることが難しくなってしまいます。

これは貴社にとってもデメリットばかりになってしまいますので、くれぐれもバージョン管理、バージョンのご確認をお願いいたします。

弊社でも確認するようにしておりますが、原文のバージョン管理については判断材料が乏しいため、確実かどうかが不明な場合もございます。それらをベースに何度も見積を作ったり、またファイルを取り寄せたりすると時間もかかります。

できるだけこういった部分は省き、効率的に見積を作り、スピーディに業務を進めるようにしましょう。

まとめ

今回お知らせした 2つのケースは、非常に間違えやすいバージョンやファイル管理によって引き起こされます。FrameMaker(フレームメーカー)や InDesign(インデザイン)などの元データをご入手いただくタイミングや、マニュアルそのもののバージョンアップのタイミング、マーケットへのローンチのタイミング、開発元や本社との調整など、あらゆる要素が複雑に関わっているからこそ、ぜひともご注意いただきたい点でもあります。

マニュアル翻訳やローカライズ、カタログやブローシャ等の翻訳サービスにつきましては、お問い合わせよりお気軽にご連絡下さい。