翻訳業界と翻訳会社

翻訳業界、翻訳会社の仕組みや基本情報を知って効率よく発注する方法

翻訳業界は仕組みや構造になっているのか、また翻訳会社内部では何を行なっているのかを一般的な例からご紹介します。では、順に見ていきましょう。

  • ・産業翻訳業界の仕組み
  • ・翻訳の処理スピードと処理量(参考値)
  • ・翻訳チェック/レビューの処理スピードと処理量

まず、翻訳業界は「産業翻訳、出版翻訳、映像翻訳」と大きく 3 つに分けることができます。

 

産業翻訳業界

貴社の企業活動において必要とされるドキュメントを円滑にご使用いただくために翻訳会社は必要不可欠な存在です。

さまざまな単位組織で発生するさまざまなドキュメント(アプリ、マニュアル、取扱説明書、カタログ、 ブローシャ、会社案内、プレスリリース、Webサイト(ホームページ)、ソフトウェア、UI、研究論文、特許申請書類、決算書、契約書等)を主に翻訳・ローカライズします。

これらのドキュメントを翻訳する領域は「技術翻訳」とも呼ばれています。 また翻訳だけでなく、お客様のご要望に応じて Webサイトローカライズ、動画制作、字幕編集、DTP レイアウト作業、印刷製本、オンラインヘルプなど異なるファイル形式への変換、オーサリングなども行なうことがあります。

さらに、ドキュメントの種類に合わせた最適化(テクニカルライティング、コピーライティングなど)も行ないます。

3 つのカテゴリの中では最も地味かも知れませんが、もっとも市場のパイも大きく、企業を支える必要不可欠なビジネスモデルとして存在しています。

出版翻訳業界

分かりやすい例をあげると「ハリーポッター」のような洋書(ジャンル問わず)などを日本語に翻訳し出版するという出版ビジネスモデルです。 逆に日本語の書籍を多言語への翻訳することもあります。

映像翻訳(字幕翻訳)業界

映画、DVD や CD、BlueRay、Youtube 動画といったエンターテイメント性の高い翻訳を行なうビジネスモデルです。「字幕翻訳」と呼ばれることもあります。

産業翻訳業界の仕組み

翻訳業界の一般的な仕組みは、以下の図で示すことができます。

フリーランス翻訳者の方々は、複数の翻訳会社にトライアル合格後、登録され、ご自身のスケジュール管理も含めて仕事を進めています。

また、翻訳会社では翻訳コーディネーターまたはプロジェクトマネージャ、プレイングマネージャと呼ばれるスタッフが、翻訳者、DTP オペレータ、社内スタッフそれぞれのスケジュールを管理することで、一貫性のあるドキュメント制作に取り組んでいます。

翻訳・ローカライズ作業の一般的な作業プロセス

翻訳・ローカライズをアウトソーシングする際の一般的なプロセスは、「お見積りから納品まで~安心!初めての翻訳プロセス~」をご覧下さい。

1日の翻訳の処理スピードと処理量(参考値)

産業翻訳における翻訳者 1 人あたりの 1 日の処理量と処理スピード

参考値
・英語から日本語への翻訳の場合:1 日 = 1,500 ~ 2,000 ワード程度
・日本語から英語への翻訳の場合:1 日 = 3,000 ~ 4,000 文字程度

すべての翻訳者が上記の処理スピードということではありませんのであくまで目安となります。分野やドキュメントの難易度、また個人個人の能力差があるため、1日 2,000 ワード以上こなす方も数多くいらっしゃいます。また初めての仕事であれば、各用語に最も適した訳語を選択するための調査時間もかかりますし、翻訳時の文体や表現の決定にも時間をかけるのが普通です。

1 つとして同じ翻訳案件はないため、一律では言いにくいところもありますが経験と情報量が増えてくれば自ずと処理量は上昇します。ただしそれは無限大に上昇するわけではありません。 「貴社の望む翻訳品質を維持する」という大前提の上で処理していかなくてはなりませんので、自然と一定量を正確に処理することになります。

実際には、翻訳者による翻訳作業が完了すれば、そのまま貴社に納品されるわけではありません。翻訳会社に納品された訳文に対して、翻訳会社社内での訳文のチェック(レビューとも言う)を行うためです。 このチェック作業の処理量と時間を考慮しなければなりません。
では、その一般的なスピードを見てみましょう。

翻訳チェック/レビューの処理スピードと処理量

産業翻訳におけるチェッカー(レビューア) 1 人あたりの 1 日の処理量と処理スピード

参考値
・英 語:1 日 = 3,000 ~ 5,000 ワード程度
・日本語:1 日 = 15,000 ~ 20,000 文字程度

最低限の翻訳チェック(レビュー)は、以下の内容が含まれます。

・翻訳に誤訳がないか(数字、日付などの間違い、単語の意味の取り間違いなど)
・訳抜けがないか
・原文に忠実に翻訳されているか

さらに Linguistic(文章の表現的内容)チェックや Technical(文章の技術的内容)チェックと呼ばれるプロセスに分けてチェックを行うこともあります。翻訳のみをご発注の場合には、この時点で翻訳会社から貴社へ納品となります。
DTP レイアウト作業やコーディング作業を含めたご発注の場合にはそれぞれ作業工程が発生しますので、その作業時間も考慮し、計算に入れることが必要です。

トライベクトルの翻訳・ローカライズ サービス

弊社では、お見積もり時に上記のご説明を含め、スケジュールのお知らせもしております。
貴社の望む品質を得るためにどんな作業工程があるのか、そして必要なのかをすべてお知らせすることにより、初めてのお客様でもご安心いただけるサポート体制を整えております。

弊社の翻訳・ローカライズに関しては、お問い合わせページよりお気軽にご連絡ください。
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