このページのポイント
- Webサイト(ホームページ)ローカライズの目的はリードの獲得
- コンテンツ品質の向上のためのマーケティング翻訳とリライト
- Webサイト(ホームページ)ローカライズはCMS/TMS/CATツールを使用
- 外資系企業と日本企業のWebサイトの違いを理解する
目次
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BtoB ビジネスにおいて、Webサイトはサービスやソリューションの案内をはじめ、最新の情報、Webinar、実績、サポート、トレーニングなどあらゆる情報を提供できるプラットフォームとなっています。
また ECサイトとは違い、Webサイトの目的は「リード獲得(問い合わせの獲得)」となっていることがほとんどでしょう。つまり、Webサイトは様々な情報提供を通じてリードの獲得ができなければなりません。
Webサイトは文章や動画、デザインなどで構成されています。特にテキスト文章は多くの割合を占めており、Google等の検索結果にも影響の大きい非常に重要な指標です。
Webサイトローカライズの場合でもそれは同様で、マーケティング翻訳(クリエイティブ翻訳)とリライトを行うことで品質向上を狙うことが可能になります。
マーケティング翻訳とは、マーケティングドキュメント類についての翻訳のことであり「より魅力的な文章(日本語)として翻訳する」ということがポイントです。
Webサイトは特にメッセージ性が高く、読み手を強く意識したものと言えるため、それに適した翻訳をする必要があります。
マーケティング翻訳は別名「クリエイティブ翻訳」や「トランスクリエーション(TransCreation)」と呼ばれることもありますが、総じて同様の意味で使用されています。
過去に翻訳した文章をそのまま Webサイトに掲載しても上述のマーケティング翻訳のように魅力的な文章であれば問題ありませんが、単純な翻訳文である場合には、その文章に手を加えてより魅力的な文章として蘇らせることができます。
例えば、英語から日本語に翻訳をした文章(日本語)がある場合には、ライターがその日本語をブラッシュアップすることでより分かりやすい文章を作ることができます。
テキスト文章の品質が非常に重要であるのと同様に、ユーザ目線ではページを開いたときの第一印象も重要です。テキスト文章以外で最初に目が行くのは以下の要素です。
これらをスクロールして見るだけでもそのページのポイントが掴めるように制作することでユーザビリティの高いコンテンツになります。
従来は、html +CSS という形式が主流でしたが、今はグローバルで CMS に移行しています。
CMS の種類も WordPress や Drupal、Adobe Experience Manager などと多くなり、貴社にとって最適なツールを選択する基準を持つ必要があります。Web サイトローカライズでは、さらに、Cloudwords や Smartling といったクラウド型の「翻訳管理システム:Translation Management System(TMS)」も大きく台頭しており、これらの経験豊富な翻訳会社をパートナーとすることで貴社の Webサイトの目的を達成しやすくなります。
Webサイトローカライズも外資系企業と日本企業とでは要件が異なります。以下の表では主な違いについてまとめています。
外資系企業 | 日本企業 | |
---|---|---|
コンテンツ(文章) | ・英語からの翻訳では不十分のため「マーケティング翻訳」や「リライト」が必要 ・オリジナルコンテンツ不可のケースも ・日本市場で必要なコンテンツを抜粋 | ・日本語の表現力は高い ・コンテンツそのものの柔軟性が高い ・オリジナルコンテンツあり |
コンテンツ(デザイン) | ・直感的に伝わるインフォグラフィックスを使用 | ・直感的に伝わるインフォグラフィックスを使用 |
ツール | ・CMS ・TMS(Translation Management System) ・CAT (Computer Assisted Translation) | ・CMS |
サーバ | ・海外本社で集中管理(Centralized) ・日本支社で新規構築管理(Localized) | ・日本国内で運用 |
このように外資系企業の場合、日本企業と違い固有の事情があり、自由に Web を運営するというのは難しい側面があります。例えば、これまでの弊社の経験から挙げると以下のようなものが考えられます。
これには当然理由があります。
海外本社から見れば、日本支社は世界中に複数存在する支社の1社という位置づけです。すべての支社に自由にWebサイトを設計させてしまえば、ブランド統一は困難になりますし管理も煩雑になります。
一方で拘束度合いが強ければ、ローカル単位で見たときにはその国のユーザにマッチしないコンテンツなども出てしまったりと、リード獲得や製品サポート等への影響は少なからずあるでしょう。
チェック項目 | 日本側の自由度が高い (Local) | 本社の拘束度合いが高い (Centralized) |
---|---|---|
デザイン(見た目)とメッセージ | ・ブランディングの不統一の恐れ | ・ブランディングの統一感高い |
コンテンツ(必要なページ) | ・必要なページを見極めることで Webサイトの質が向上 | ・不要なぺージがあるとユーザビリティ低下 |
オリジナルコンテンツの有無 | ・日本のユーザが知りたい情報を掲載できる | ・グローバル単位でのニーズなので日本独自のニーズには対応できない |
翻訳の品質(伝わる翻訳かどうか) | ・オリジナルコンテンツと共に作り上げることでリーダビリティ向上 | ・刺さる翻訳ではないのでユーザの理解が薄い |
ユーザビリティ | ・必要なページとデザインを合わせることで使いやすい Webサイトに | ・グローバルのまま使用するので使いにくい可能性も |
更新・管理・運用 | ・CMS(Wordpress)等で進めることで自社運用が可能 | ・グローバル CMS で進めることで自社運用は可能だが権限や操作によっては外注化も必要に |
外資系企業それぞれの固有の事情にも寄りますが、例えば 外資系企業 A 社では本社サーバ内に設置はできるが、外資系企業 B 社では日本で新たにサーバを設置し、運営せざるを得ないということも起きています。
これらはお客様側の Web サイト(ホームページ)の管理・運営ポリシーに準拠しなければなりません。
また、これら以外にも外資系企業の Webサイト(ホ-ムページ)と連携している salesforce.com のような システムや様々なプラットフォーム、トップページで主に使用されるスライダーや Javascript などのローカライズにも気を配る必要があります。
ローカライズを行う場合には、日々進化する Web の技術に対してもどのようにアプローチして解決するのかを考えなくてはなりません。弊社では、これらのお悩みはお客様ごとに異なるため、その都度ご相談させて頂いております。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
海外本社 サーバ | ・一元管理が可能 ・本社の意向が強く反映される ・サーバコストはかからない | ・文字コードをはじめ、技術的な問題が起きやすい ・本社とのやり取りが頻繁に発生する可能性が高い |
日本独自 (国内)サーバ | ・必要最低限のブランディングを遵守すれば比較的自由な設計が可能 ・技術的な問題も発生しにくい | ・サーバ管理コストがかかる |
※弊社では、本社サーバ内に設置・運営管理する場合と日本独自でサーバを設置・運営管理する場合の両方のケースがございます。
※本社サーバでも、日本で新たにサーバを設置した場合でも、アクセスできる限り更新作業内容は変わりませんので、更新そのものに影響は出ませんが、長期間の運営においてどちらがメリットがあるかは、会社ごとに異なりますので、その点は Web サイトをローカライズする前に注意しなくてはなりません。
一方、日本企業には、外資系企業にはない強みがあります。それは Web サイトをゼロから構築できるという点です。
このメリットを活かさない手はありません。日本のマーケットに合わせたデザインやサイト構造、更新性などを計画し、王道でもあるコンテンツマーケティングを継続していくことができます。
逆に言えば、日本企業が海外進出を検討し、Web サイトを多言語に翻訳するという場合は、上記の外資家企業の「中央集権化」された Web サイト運用になる可能性があります。
また、Web サイトに関わらず、アプリなども設計時点でグローバル化を視野に入れている場合には、弊社も多言語翻訳のご依頼も多くなりますが、これらもやはり中央集権化されていく傾向にあります。
日本企業の場合でも、従来は、HTML +CSS という形式が主流でしたが、今や多くの企業がCMS に移行しています。
特に日本では、Wordpress のシェアが多い為、社内でもトレーニングを受ければ更新もできるスタッフが増えていきますし、それができない場合でも WordPress なら外注業者でも多くが対応できます。
また日本語から多言語 Web サイトを構築したい、という場合には、各国の特長を考慮する必要があるのは、言うまでもありません(外資系企業の本社と同じ)。
外資系企業も日本企業も、どちらの場合もそれぞれメリットとデメリットがあります。
それぞれの特性をしっかり理解しなければなりません。
例えば、外資系企業なら Web サイトローカライズ(ホームページ翻訳)としてまず思い浮かぶのは、「本社の Web サイト(ホームページ)をとにかく日本語にしてしまう」というケースです。
しかし本当にそれだけでいいのでしょうか?国ごとに文化も風習も、慣習も異なるにも関わらず、Web サイト(ホームページ)は日本語にするだけ。
「日本人に向けたデザインやコンテンツの再設計、日本人に合わせた表現」など、細部にわたって調整することこそが、真の Web サイトローカライズ(ホームページ翻訳)と言えます。
例えば以下のような内容は作業前に検討しておく必要があります。
もちろん日本語の翻訳の品質がしっかりしていることが前提であり、その上で、ユーザビリティの向上を考えることが大切です。
そうして出来上がった Web サイト(ホームページ)は、正のスパイラルを描きますのでユーザの離脱を防ぎ、貴社サイト内のコンテンツをしっかりと読んだ上で問い合わせへと導いてくれます。KPI をどこに設定しているかを忘れてはいけません。
このように、適切な Web サイトローカライズ(ホームページ翻訳)は貴社マーケティング活動のエンジンとも言える強力なツールに変身するのです。残念ながら「ただ日本語になっていればいい、英語になっていればいい」という考えでは、この結果に到底辿り着くことはできません。
しかし、徐々に更新していくことができれば、貴社の Web サイトは「資産」となり、優秀な営業マンにもなり得ます。
他社の追随を許さないだけの価値ある Webサイト(ホームページ)となってくれるでしょう。
弊社ではこれまで数多くの Web サイトローカライズ(ホームページ翻訳)の経験とノウハウを元に、貴社に合った翻訳・ローカライズソリューションをご提供いたします。Web サイトローカライズ(ホームページ翻訳)についてはお気軽にお問い合わせください。