TRADOS(トラドス)について知りたい

■SDL TRADOS(トラドス)とは何ですか?


SDL TRADOS(トラドス)とは、大量のボリュームのマニュアルの翻訳時に、訳文を再利用できるようにデータベース化しておくことができる翻訳支援ツールのことです。一度翻訳した訳文は、次のバージョンアップ時に有効に利用することで、「訳文の統一」を図ることが可能です。さらに、訳文の流用による「コスト削減」と「スケジュール短縮」という大きなメリットを受けることができます。

特に、ボリュームの多いマニュアル翻訳では繰り返しの文章や変更しない文章などが存在するため、この SDL TRADOS(トラドス)というツールを使用することが必須となっています。

■SDL TRADOS(トラドス)の機能と特長

SDL TRADOS(トラドス)の特長は、主に以下に集約することができます。

  • 翻訳の再利用性(訳文の高い流用性)
  • 翻訳品質の統一性、安定性とそれに付随するコスト削減とスケジュール短縮
  • 機械翻訳ではなく、あくまでも翻訳者の翻訳作業を支援するためのデータベースとしての位置付け

    マニュアル翻訳では、これらの TRADOS(トラドス)の機能を熟知し、その特長を最大限に生かすことが求められています。

    ■SDL TRADOS(トラドス)を使用したマニュアル翻訳の一般的なワークフロー

    SDL TRADOS(トラドス)を使用したマニュアル翻訳の一般的なワークフローは、以下のようになります。

    初回のマニュアル翻訳時

    SDL TRADOS(トラドス)を使用した初回翻訳時

     

    マニュアル翻訳のバージョンアップ時

    SDL TRADOS(トラドス)を使用したバージョンアップ時

    ■SDL TRADOS(トラドス)の解析アルゴリズム

    SDL TRADOS(トラドス)では旧バージョンとの比較および解析が可能です。つまり、「旧バージョンと新バージョンとの間で、どの程度の改訂率があるのか」を数値(ワード数や文字数)で確認することができます。

    例として以下のようなケースを考えてみます。

  • IT 系のユーザマニュアル

  • 英語 → 日本語へのマニュアル翻訳

  • 旧バージョンの翻訳時に、すでに SDL TRADOS(トラドス)を使用済みのため Translation Memory がある

  • 原文データは Adobe FrameMaker(フレームメーカー)で作成されている
  • SDL TRADOS(トラドス)を使用して解析作業を行う場合、厳密には、Translation Memory 内のセグメント(文節)と実際の翻訳対象ファイルとの原文同士のマッチングになります。

    SDL TRADOS(トラドス)の Translation Memory 内は、英語と日本語のペアになって格納されています。



    この Translation Memory 内の原文(この場合は英文)と、実際の翻訳対象ファイル(英文)とのマッチングが行われます。これが SDL TRADOS(トラドス)の原文同士による比較です。





    ■SDL TRADOS(トラドス)による解析結果とその意味

    SDL TRADOS(トラドス)による解析結果では、旧バージョンとの比較結果が、数値として表示されます。解析結果にある CSV ファイルや Log ファイル中には以下の項目が含まれます。 SDL TRADOS(トラドス)から生成される解析表の意味は以下のとおりです。*

    No Match 前回の訳文が流用できない、新規で翻訳する箇所
    100% Match 前回の英文とまったく同じであるため、訳文をそのまま流用する箇所
    95-99% Match 前回の英文とほとんど同じであるため、訳文を若干変更して流用する箇所
    75-94% Match 前回の英文と同じではないが、訳文を編集することで流用できる箇所
    Repetitions 繰り返し表現

    ※No Match は Full Rate と同義語です。
    ※実際の解析結果の項目は、詳細に分かれています。上記はご説明のために省略しております。

    その他、マニュアル翻訳および SDL TRADOS(トラドス)についてご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

    対応分野が知りたい 発注手順が知りたい トラドスについて知りたい
    お問い合わせフォーム